注目のスタートアップ

尿がん検査「マイシグナル」を提供する「Craif」が資金調達

company

2025年6月11日、Craif株式会社は、資金調達を発表しました。

引受先は、株式会社足利銀行100%出資子会社の株式会社ウイング・キャピタル・パートナーズと、長瀬産業株式会社100%子会社のNagase Future Investments株式会社が運営するCVCファンドです。

Craifは、がんリスク検査「マイシグナルシリーズ」を展開しています。

マイクロRNA×AIでがんリスクを高精度に評価する検査「マイシグナル・スキャン」、より手軽にがんリスクを評価する検査「マイシグナル・ライト」、がんに特化した遺伝子検査「マイシグナル・ナビ」、DNAダメージをモニタリング・予防につなげる検査「マイシグナル・チェック」の4つの検査で構成されています。

これらの検査は、尿や唾液を採取するだけで、簡単に検査することができます。

2024年4月に、すい臓がん診断を目的とする医療機器プログラムの薬事承認取得を目指した臨床試験を開始しています。

また、米国では、カリフォルニア州アーバインに研究開発ラボを設立し、サンディエゴにビジネスオフィスの開設も予定しています。すでに米国15州・30医療機関と連携してすい臓がん検体の収集を開始しています。

今回調達した資金は、尿がん検査「マイシグナル」のさらなる研究開発や、医療機器プログラムの臨床開発、その他の疾患の検出技術開発に活用します。


がんは1981年以降、国内における死因の第1位となっており、国全体での対策がこれまでに進められてきました。

がんはまさに国民病とも呼べる病気で、2019年の統計によれば、日本人が生涯でがんと診断される確率は、男性で65.5%、女性で51.2%にのぼります。これは、2人に1人以上ががんにかかる可能性があることを意味しています。

一方、医療技術の進歩により、がんは「治せる病」へと変わりつつあります。とくにがんを早期に発見し、治療を行えば、9割以上が治療可能であるとされており、がん対策においては早期発見が非常に重要なポイントとなります。

ところが、「平成28年国民生活基礎調査」によると、40歳から69歳のがん検診受診率は依然として低く、受診率がもっとも高い肺がん検診であっても、男性が51.0%、女性が41.7%にとどまっています。受診率が低い主な理由として、「検査に行く時間がない」という声が多く、簡便で受けやすい検査法の必要性が高まっています。

こうした状況を受け、近年では大学の研究成果を活用したがんリスクの新たな検査サービスの実用化が進んでいます。

Craifは、2018年に設立された名古屋大学発のベンチャー企業です。尿などの体液中に含まれるマイクロRNAなどの疾患関連物質を高精度で検出する独自技術「NANO IP(NANO Intelligence Platform)」を開発し、この技術を活用した尿によるがん検査サービスを展開しています。これにより、より手軽で負担の少ないがん検査の実現と、その検査の普及を目指しています。

事業のさらなる成長のためには、戦略的な資金調達が重要です。シリーズ累計発行部数250万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を提供しています。

カテゴリ 有望企業
関連タグ がん がん検査 ヘルスケア 予防医学 医学 医療 早期発見 株式会社 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
【2025年最新】東京都の創業・起業者支援「創業助成金(創業助成事業)」について解説
起業の仕方サムネイル
起業の6ステップ。素人でも失敗しない起業の仕方を大解剖。起業の専門家が体験とデータで解説。
【2025年最新版】合同会社と株式会社の違いを徹底比較!メリット・デメリットや選び方をわかりやすく解説
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
法人成りとは?個人事業主が法人化するメリット・デメリットや手続きを徹底解説!
一般社団法人設立サムネイル
一般社団法人の設立方法を徹底解説|手続きの流れ・必要書類・費用・メリットなど

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

船の自動運転技術を開発する「エイトノット」が「セイカダイヤエンジン」と資本業務提携
2023年8月1日、株式会社エイトノットは、セイカダイヤエンジン株式会社と資本業務提携契約を締結したことを発表しました。 エイトノットは、自動操船アシストと将来的に無人航行を可能にする小型船舶向け自律…
電話DXサービスを展開する「IVRy」が13.1億円調達
2023年3月29日、株式会社IVRyは、総額13億1,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 また、AI音声認識機能(β版)とChatGPTを活用した通話音声要約機能(β版)を提供開始し…
物語を通じて作家・作品と出会うEコマース「ナラティブ・プラットフォーム」を運営する「物語運輸」が資金調達
2024年1月5日、物語運輸株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 物語運輸は、物語を通じて作家・作品と出会うEコマース「ナラティブ・プラットフォーム(ナラプラ)」を運営しています。 職人…
尿がん検査「マイシグナルシリーズ」を提供する「Craif」が10億円調達
2024年12月23日、Craif株式会社は、10億円の資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、本田圭佑氏が率いるX&KSKです。 Craifは、尿からマイクロRNAなどの病気に関連した生体…
データセントリックなAI開発プロセス全体を包括的に支援する「FastLabel」が資金調達
2024年9月9日、FastLabel株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 シリーズB全体の合計調達額が12.5億円、設立からこれまでの累計調達額が約19.5億円となりました。 Fast…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集