5月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果が公表 業況DIは5か月ぶりに改善

tips

2024年5月31日、日本商工会議所は、5月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果を公表しました。

全産業合計の業況DIは、▲11.4(前月比+2.6ポイント)となりました。

製造業は、需要が堅調な飲食品関係や自動車関係を中心に改善しました。

卸売業も飲食品関係の引き合い増で改善しました。

また、サービス業も、大型連休を中心とした国内外の観光需要の増加で改善しました。

一方で、小売業は、物価高に伴う消費者の買い控え、建設業は、建築資材価格の高騰や住宅関係の需要低迷の影響により足踏みの状態にあります。

深刻な人手不足や円安等によるコスト増も続いていますが、堅調な観光需要等により、中小企業の業況は5か月ぶりに改善となっています。

先行き見通しDIは、▲13.4(今月比▲2.0ポイント)となっています。

高水準での賃上げや定額減税の開始に伴う可処分所得の増加による、個人消費の拡大が期待されています。

一方で、歴史的な円安等で物価高が継続する中、電気・ガス代への激変緩和措置も終了となり、一層の収益悪化が懸念されています。

また、労務費を含むコスト増に対する価格転嫁が十分に行えていない中、深刻な人手不足による受注機会の損失も生じており、先行きは慎重な見方が続いています。


2024年4月29日の外国為替市場で円が対ドルで下落し、一時1ドル160円台と、1990年4月以来となる円安水準となりました。

政府・日銀は、4月26日から5月29日までの間に、総額9兆7,885億円の為替介入を実施したことを公表しています。これにより円安の勢いは小康状態を保っています。

日本は石油・ガスを輸入に依存しているため、円安基調は多くの業界にコスト増という形で影響を与えています。

こうした状況下で、価格転嫁が進められていますが、輸送費・エネルギー価格・労務費の上昇分には追いついていないことが指摘されています。

また、さまざまな業界で人手不足が深刻化しています。2023年の採用実績は、前年度からほぼ横ばいであり、予定数を確保できた割合は半数を下回っています。とくに建設業、小売業、サービス業で低い水準となっています。

近年はSDGsの推進による価値観の変化やコロナ禍による環境の変化により、市場の動向も目まぐるしく変わっています。ビジネスではこうした市場を正確に捉えることが重要です。「冊子版創業手帳」では、事業を分析するためのフレームワークを掲載しています。自社の強みや市場の機会を明らかにすることで、ブルーオーシャンを見つけだすことができるはずです。

また、新たな事業に取り組むには資金調達も必要となるでしょう。「資金調達手帳」では、資金調達に関するノウハウを詳しく解説しています。

カテゴリ トレンド
関連タグ 中小企業 日本商工会議所 調査
詳細はこちら

業況DIは、観光需要等が下支えし、5か月ぶり改善。先行きは、物価高・人手不足等の継続で慎重な見方(LOBO調査2024年5月結果)

創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット
法人成りとは?個人事業主が法人化するメリット・デメリットや手続きを徹底解説!
合同会社の設立方法を徹底解説|費用・手続き・必要書類まで分かりやすく解説!
【2025年最新】東京都の創業・起業者支援「創業助成金(創業助成事業)」について解説
法人の印鑑証明書の取り方 | 手数料は?どこで?郵送は可能?
【2025年最新】起業・開業の強い味方!補助金・助成金おすすめ15選

トレンドの創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

【東京都】「デジタル技術を活用した先進的サービス創出支援事業」助成金
公益財団法人東京都中小企業振興公社は「デジタル技術を活用した先進的サービス創出支援事業」について発表しました。 デジタル技術を活用した先進的サービスの事業化に取り組む中小企業者等で東京都・公社・各種ビ…
【補助上限最大9,000万円!】「中小企業新事業進出補助金」予告
「中小企業新事業進出補助金」のお知らせです。 既存の事業とは異なる、新市場・高付加価値事業への進出にかかる設備投資等を支援する補助金です。 補助対象者 企業の成長・拡大に向けた新規事業への挑戦を行う中…
【最大300万円】「外国出願・審査請求・中間応答支援(海外権利化支援事業)」外国出願の権利化に要する費用を補助
特許庁は「外国出願・審査請求・中間応答支援(海外権利化支援事業)」を実施しています。 国での特許、実用新案、意匠または商標の出願・権利化を予定している中小企業、中小スタートアップ企業、小規模企業、大学…
【1/31締切】令和6年度「業務改善助成金」
令和6年度「業務改善助成金」のご案内です。 事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を30円以上引き上げ、生産性向上に資する設備投資等を行った場合に、その設備投資等にかかった費用の一部を助成する制度…
「事業再構築補助金」第11回公募 申請受付開始日は調整中
2023年8月10日、「事業再構築補助金」の第11回公募が開始されました。 新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、当面の需要や売上の回復が期待し難い中、ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集