注目のスタートアップ

がん・マラリア・デング熱などのワクチンを研究開発する「VLP Therapeutics Japan」に「双日」が出資

company

2023年8月2日、双日株式会社は、VLP Therapeutics, Inc.(本社:米国メリーランド州、CEO:赤畑渉、VLPT US)の100%子会社である日本法人VLP Therapeutics Japan株式会社が実施する第三者割当増資に参画、出資したことを発表しました。

VLPT USは、従来のワクチン療法を一変させる革新的な治療法の開発を目的に設立された企業です。創業者である赤畑氏が開発した独自のVLP(Virus Like Particles:ウイルス様粒子)を基盤技術に、がんに対する治療ワクチンと、マラリア・デング熱などの感染症を対象とした予防ワクチンの研究開発を行っています。

日本法人であるVLPT Japanは、日本国内において国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)と厚生労働省の支援により、レプリコン(次世代mRNA)技術を用いた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などに対する予防ワクチンの研究開発に取り組んでいます。

また、ワクチンの研究開発加速と、有事の際のワクチン開発体制の構築のため、経済産業省の支援により福岡県久留米市久留米リサーチ・パーク内に自社の製造拠点の設立を進めています。

今回の資金は、製造拠点の設立、運営、研究開発などに充当します。


ワクチンは、特定の病原体に対する免疫を作り出すことで、病気にかからないようにする、あるいはかかっても症状を軽くすることを目的とした、感染症予防のための医薬品です。

感染症は、有史以来人間を苦しめてきたものであり、時には大量の死者を出すこともある恐怖の存在でした。

人類初のワクチンである天然痘のワクチンの論文が公開されたのは1798年のことです。その後、またたく間に論文とワクチンの存在が世界に広まっていき、人類は急速にワクチンという安全性が高い感染症の予防手段を手に入れていきました。WHOは1980年に天然痘の根絶を宣言し、現在は自然界において天然痘ウイルスは存在しないとされています。

このようにワクチンは強力な感染症対策であり、人類が生み出したもっとも偉大な発明ともいわれることがあります。

VLP Therapeuticsは、VLP(ウイルス様粒子)を基盤技術に、がんの治療ワクチンや、マラリア・デング熱などの予防ワクチンの開発を行っています。

VLPとは、ウイルスに類似しているものの、遺伝物質を持たず感染を起こさない分子です。これをワクチンとして投与することで、免疫反応を起こし、抗体を作り出すことができます。

また、レプリコン(次世代mRNA)ワクチンの開発も行っています。レプリコンワクチンは、少量の接種で充分な抗体を作ることができるため、現行のmRNAワクチンと比べ、10~100分の1程度の摂取量で済み、短期間で大量の製造が可能であるほか、副作用の低減が期待されています。

研究開発型のビジネスでは資金調達や、シナジーのある企業との提携・協業が重要です。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関するノウハウを詳しく解説しています。

カテゴリ 有望企業
関連タグ ウイルス がん ワクチン 予防 出資 医薬品 基盤技術 感染症 株式会社 治療 研究開発
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説
【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト
【記入例つき】事業計画書の書き方を初心者向けに解説|起業・融資対応テンプレートあり
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?
家族を従業員にする4つのメリットと注意するべきポイント
【2025年版】会社設立のやること・流れ・費用をチェックリストで完全解説

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

大規模言語モデル(LLM)のビジネス実装を推進する「Deepreneur」が資金調達
2023年7月31日、株式会社Deepreneurは、資金調達を実施したことを発表しました。 Deepreneurは、最新のディープラーニング技術を活用したAI・システムの開発や、ChatGPTなどの…
宿泊施設管理アプリ「HoteKan」を開発する「FRINGE」が資金調達
2024年3月26日、株式会社FRINGEは、資金調達を実施したことを発表しました。 FRINGEは、宿泊施設のメンテナンス統合ツール「HoteKan(ホテカン)」を開発しています。 清掃スタッフが清…
フレッシュペットフード「ココグルメ」などを手がける「バイオフィリア」が3.7億円調達
2024年1月24日、株式会社バイオフィリアは、総額3億7,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 バイオフィリアは、犬用フレッシュペットフード「CoCo Gourmet(ココグルメ)」、…
太陽光発電システムの第三者所有サービス「シェアでんき」と大容量・高出力蓄電池「Tesla Powerwall」をパッケージ提供するサブスクプランが開始
2021年11月9日、株式会社シェアリングエネルギーは、「シェアでんき」と「Tesla Powerwall」をパッケージ提供する新サービスを発売することを発表しました。 シェアリングエネルギーは、太陽…
再生医療ベンチャーの「ひろさきLI」が「サイバーダイングループ」と資本業務提携
2022年8月17日、ひろさきLI株式会社は資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、CYBERDYNE株式会社と同社子会社が運営する「CEJファンド(サイバニクス・エクセレンス・ジャパン 1…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集