注目のスタートアップ

生活に溶け込むスマートホーム製品を展開する「mui Lab」が3億円調達

company

2022年11月11日、mui Lab株式会社は、総額約3億円の資金調達を実施したことを発表しました。

mui Labは、ユビキタスコンピューティングの祖であるマーク・ワイザー氏が提唱した設計思想であるCalm Technology (カーム・テクノロジー:穏やかな情報技術)と日本的な美意識を融合させたデジタルテクノロジーの設計・実装を行っています。

天然木のタッチパネルディスプレイ(スマートホームハブ)「muiボード」や、ペンタブレット製品を展開する株式会社ワコムと共同開発した、落書きや身長をクラウドに保存しいつでも呼び出せる木の柱「柱の記憶」、JIBUN HAUS.株式会社と共同開発した生活に溶け込むテクノロジーを活用した住宅「muihaus.(ムイハウス)」などのプロダクトを展開しています。

「muiボード」は、国際的なスマートホームの規格「Matter」に対応した第2世代を2023年にリリースすることを予定しています。

今回の資金は、スマートホーム領域におけるソフトウェア開発人材の積極的な採用、パートナー企業との提携、製品・サービス開発に充当します。

デジタル製品・情報端末は無機質な設計になってしまうことが多いのですが、そうした無機質さが人間の集中力などを奪ってしまっており、もっと生活に溶け込み、テクノロジーを自然に使える状況をつくる必要があるという考えを抱く人が増えています。

カーム・テクノロジーは、こういった生活に溶け込む情報技術の設計思想です。

mui Labは、この設計思想をベースに、「環境に溶け込む」「身体性を伴う相互作用」「情緒的な体験を提供」するUIである「Calm UI」を構築し、スマートホームハブなどのデジタル機器を開発・提供しています。

たとえば提供する「muiボード」は、住宅に複数導入されたスマートホーム製品を1か所で操作できるスマートホームハブです。その見た目は一枚の横長の木の板という特徴的なものです。

木の板の表面にシンプルなアイコンが表示され、それをタッチしたり、Amazon Alexa経由で指示することでスマートホーム製品の操作を行うことができます。

また「muiボード」そのものにも、時計・カレンダー・タイマー・天気予報・メール・ボイスメール・照明コントロールなどの機能が搭載されています。

見た目的にも住宅と調和するほか、本物の天然木を触るというインターフェースは温かみを感じられます。

スマートホームは、住宅におけるエネルギーの利用を効率化するものとしても重要であり、将来的には多くの住宅がテクノロジーによって統合管理されることが予測されています。

カーム・テクノロジーは、この新たな時代において、より自然にテクノロジーを取り入れるものとして広まっていく可能性があります。

mui Lab株式会社のコメント

このニュースを受けまして、mui Lab株式会社よりコメントが届きました。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

人材雇用、研究開発への投資。

・今後の展望を教えてください。

世界中のスマートホームの体験を穏やかで温かいものにすることと、喫緊の課題であるエネルギーマネジメントを通じた地球課題への貢献などです。

・読者へのメッセージをお願いします。

mui Labは、人と自然とテクノロジーの調和を目指し、カームテクノロジーの理念を応用して、スマートホームにおける人と情報技術の接点を穏やかにする「Calm UI」を適応した技術開発を行っています。

穏やかな暮らしが求められる家の中では過多な情報を避け、家族同士がつながるような温かなインターフェースをデザインし、テクノロジーの存在を消してそっと佇み、人の心に寄り添うスマートホーム体験を提供しております。ぜひご支援を、よろしくお願いいたします!

企業の成長には戦略的な資金調達や提携が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

カテゴリ 有望企業
関連タグ スマートホーム テクノロジー 住宅 株式会社 生活 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
有限会社とは?なぜもう設立できないのか?
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた
【記入例つき】事業計画書の書き方を初心者向けに解説|起業・融資対応テンプレートあり
起業の仕方サムネイル
起業の6ステップ。素人でも失敗しない起業の仕方を大解剖。起業の専門家が体験とデータで解説。
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?
起業するには何から始める?誰でもできる起業の仕方や手続き【5ステップで解説】

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

顕微観察技術の事業化を目指す「IDDK」が資金調達
2020年6月17日、株式会社IDDKは、資金調達を実施したことを発表しました。 光学技術と半導体技術を融合し、顕微観察技術(マイクロ・イメージング・デバイス、MID)を開発しました。 MIDは、半導…
「リアルテックファンド」が細胞の再生を司るオートファジーの社会実装を目指す「AutoPhagyGO」に出資
2022年6月14日、リアルテックホールディングス株式会社は、株式会社AutoPhagyGOに投資を実行したことを発表しました。 AutoPhagyGOは、大阪大学の吉森研究室に蓄積されたオートファジ…
腸内フローラ検査「マイキンソー(Mykinso)」を提供する「サイキンソー」が8億円調達
2023年7月27日、株式会社サイキンソーは、総額8億円の資金調達を実施することを発表しました。 サイキンソーは、腸内フローラ検査サービス「マイキンソー(Mykinso)」を提供しています。 自宅から…
植物のゲノム編集プラットフォーム技術によりスピーディな種苗開発を実現する「グランドグリーン」が6.5億円調達
2024年6月21日、グランドグリーン株式会社は、総額約6億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 グランドグリーンは、環境負荷の低い種苗や迅速な種苗開発を実現するためのゲノム編集技術…
HR 共創プラットフォーム「PathosLogos」を開発・提供する「パトスロゴス」が19.5億円調達
2023年9月13日、株式会社パトスロゴスは、総額19億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 パトスロゴスは、HR 共創プラットフォーム「PathosLogos」や、大企業向けSaa…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集