注目のスタートアップ

ヘリカル型核融合炉を開発する「Helical Fusion」が23億円調達

company

2025年7月11日、株式会社Helical Fusionは、総額約23億円の資金調達を発表しました。

今回の資金調達により、累計調達額は約52億円となりました。

Helical Fusionは、世界初のフュージョンエネルギーの実用化に向け、ヘリカル型核融合炉を開発しています。

2030年代に、定常・正味発電が可能な「Helix KANATA」の稼働を目指しています。

直近数年間で、統合実証を行う装置「Helix HARUKA」を開発し、独自の高温超伝導マグネットや液体金属ブランケットといったコア技術を含む統合実証を行う計画です。

今回調達した資金は、開発資金やチームのさらなる拡充に活用します。


原子力発電は、莫大なエネルギーを生み出すことができ、かつCO₂を排出しないという点で「クリーンな発電方式」とされています。しかしその一方で、メルトダウン(炉心溶融)のリスクがあるため、極めて慎重な運用が求められます。

また、原子力発電は核分裂反応によって高レベルの放射性廃棄物を生み出します。そのため、原子力発電にはメルトダウンのリスクと放射性廃棄物の管理という、二つの大きな課題が存在します。

こうした課題を克服する新たな発電手段として注目されているのが、「核融合炉」です。核融合は、太陽内部で起きている反応を地上で再現する発電方式であり、メルトダウンの危険性がなく、高レベル放射性廃棄物もほとんど発生しません。

ただし、核融合反応には、1億度を超える高温・高密度のプラズマを安定して維持する必要があり、極めて高度な技術が求められます。そのため、実用化には長い時間がかかるとされてきました。

しかし、国際共同プロジェクト「ITER計画」では、2035年に核融合発電と同様の条件下における運転実験を開始し、2050年頃の発電実証を目指しています。

さらに近年では、大学や研究機関の技術を基盤としたスタートアップ企業が登場し、核融合炉の早期実用化に向けた開発が加速しています。

こうした流れのなかでHelical Fusionは、国立研究所のスピンアウトベンチャーとして、日本で数十年かけた膨大な核融合研究の成果を引継ぎつつ、世界初の核融合プラント実現を目指しています。

革新的な技術を実現するには資金調達を成功させることが重要です。シリーズ累計発行部数250万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を提供しています。

カテゴリ 有望企業
関連タグ エネルギー 株式会社 核融合 核融合炉 発電 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
【2025年最新】東京都の創業・起業者支援「創業助成金(創業助成事業)」について解説
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説
合同会社の設立方法を徹底解説|費用・手続き・必要書類まで分かりやすく解説!
法人成りとは?個人事業主が法人化するメリット・デメリットや手続きを徹底解説!
【2025年最新】起業・開業の強い味方!補助金・助成金おすすめ15選

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

半導体検査を短縮する電子ビーム生成装置を開発・製造・販売する「Photo electron Soul」が3.5億円調達
2022年5月31日、株式会社Photo electron Soulは、総額3億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Photo electron Soulは、電子ビーム生成装置を開…
マイクロモビリティの開発・販売を行う「glafit」が10億円調達
2021年11月24日、glafit株式会社は、総額約10億円の資金調達を実施したことを発表しました。 マイクロモビリティの開発・販売を行っています。 2021年11月現在、折りたたみ自転車と原付バイ…
資金調達支援の「SoLabo」が経営者向け「資金調達の無料相談」を実施
2021年1月5日、株式会社SoLaboは、緊急事態宣言対策の資金調達に関する無料相談を受け付けることを発表しました。 この無料相談は、再度発表されると予想されている緊急事態宣言に向けたものです。 緊…
学費出世払い方式(ISA)を採用したエンジニア養成学校「CODEGYM」を運営する「LABOT」が資金調達
2022年8月30日、株式会社LABOTは、香港のChoco Upから、クロスボーダーの資金調達を実施したことを発表しました。 LABOTは、学費出世払い方式(ISA)を採用したハイレベルエンジニア養…
核融合炉関連機器提供などの「京都フュージョニアリング」が1.16億円調達
2021年1月20日、京都フュージョニアリング株式会社は、総額1億1,600万円の資金調達を実施したことを発表しました。 京都大学エネルギー理工学研究所の小西哲之教授が中心となって開発した、核融合装置…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集