中小企業庁「価格交渉フォローアップ調査」価格交渉が行われた割合は59.4%と微増に

tips

2024年6月21日、経済産業省は、価格交渉促進月間(2024年3月)フォローアップ調査の結果を公表しました。

中小企業庁は、毎年3月と9月の「価格交渉促進月間」に合わせ、受注企業が、発注企業にどの程度価格交渉・価格転嫁できたかを把握するための調査を実施しています。

2024年3月時点の調査の結果は以下の通りです。

調査結果

・価格交渉が行われた割合は59.4%でした。発注企業から交渉の申し入れがあり、価格交渉が行われた割合が増加するなど、価格交渉できる雰囲気が更に醸成されつつある傾向です。
・価格転嫁率は46.1%でした。コストの増額分を全額価格転嫁できた企業の割合が増加しましたが、「転嫁できた企業」と「できない企業」で二極化する兆しもあります。
・価格交渉が行われた企業のうち、約7割が、労務費についても価格交渉が実施されたと回答しました。
・正当な理由のない原価低減要請等によって価格転嫁できず、減額されたケースが、全体の約1%存在しました。下請法違反が疑われる事例も存在しており、これらの情報も端緒として、下請法の執行を強化していきます。

今後のスケジュール(予定)

・8月上旬目途:発注企業ごとの価格交渉・価格転嫁の評価を記載したリストの公表
・リスト公表後:評価が芳しくない企業に対する、所管大臣名による指導・助言


価格転嫁とは、企業が原材料やサービスのコストの変動を、製品やサービスの価格に反映させることです。

エネルギー価格高騰や、物価高騰、歴史的な円安が経済や国民生活に大きな影響を与えている状況において、適切な価格転嫁は事業を継続していくために重要な戦略です。

一方で、中小企業などは取引面において弱い立場にあることも多く、価格面でしわ寄せを被っているケースが見られます。こうした背景のもと、中小企業庁は受注企業が、発注企業にどの程度価格交渉・価格転嫁できたかを把握するための調査を実施しています。

この調査によれば、価格交渉が行われた割合は59.4%、価格転嫁率は46.1%となっており、価格交渉・価格転嫁が進んでいるという結果となっています。

一方で、価格転嫁ができた企業とできない企業とで明暗が分かれる結果ともなっており、価格交渉が進んでいない企業においては、その原因を明らかにし、対策を進めていくことが肝心です。

企業を成長させていくにはさまざまな知識を身につけることが重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」では、資金繰り、会計・経理、販路拡大、ネット活用、人材採用、契約など、あらゆるノウハウについて詳しく解説しています。

また、別冊の資金調達に特化した「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるための方法や、融資制度の活用法、クラウドファンディングを成功させるためのノウハウなど、資金調達に関するノウハウを詳しく解説しています。

カテゴリ トレンド
関連タグ 中小企業庁 企業 価格転嫁 受注 発注 経済産業省
詳細はこちら

価格交渉促進月間(2024年3月)フォローアップ調査の結果を公表します

創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
企業組合とは?設立方法とメリット・デメリットを紹介
一般社団法人設立サムネイル
一般社団法人の設立方法を徹底解説|手続きの流れ・必要書類・費用・メリットなど
キャッシュフロー計算書のサムネイル
キャッシュフローとは?計算書(C/F)の見方や作り方などをわかりやすく解説!
【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた
家族を従業員にする4つのメリットと注意するべきポイント

トレンドの創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

【10/27開催】「食関連分野オープンイノベーション・チャレンジピッチ」
農林水産省、経済産業省関東経済産業局、独立行政法人中小企業基盤整備機構関東本部は、「食関連分野オープンイノベーション・チャレンジピッチ」の開催を発表しました。 農林水産省と経済産業省関東経済産業局は、…
【特許庁】特許審査におけるスタートアップ向けプッシュ型支援(PASS)実施へ
経済産業省 特許庁は、「スタートアップに対するプッシュ型支援」(PASS)を2024年4月から実施することを発表しました。 「スタートアップに対するプッシュ型支援」(PASS)は、特許庁からスタートア…
【中小企業庁】「中小企業・小規模事業者の受注機会の増大のための支援」
「中小企業・小規模事業者の受注機会の増大のための支援」のご案内です。 国は、中小企業者の官公需の受注機会を増大するために、「官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律」に基づいて、中小企業者向…
【1/31開催】スタートアップ都市推進協議会主催のマッチングイベント「JAPAN STARTUP SELECTION the 10th Anniversary」
「JAPAN STARTUP SELECTION the 10th Anniversary」のご案内です。 10自治体(青森市、富谷市、つくば市、千葉市、浜松市、高岡市、北九州市、福岡市、別府市、熊本…
2025年版「中小企業白書」「小規模企業白書」解説動画が公開
2025年6月5日、中小企業庁は、2025年版「中小企業白書」「小規模企業白書」の解説動画を公開しました。 この動画では、最新の調査結果や、政策のポイントをわかりやすく解説しています。 中小企業・小規…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集