注目のスタートアップ

ヘリカル型核融合炉の開発を目指す「Helical Fusion」が8億円調達

company

2023年4月5日、株式会社Helical Fusionは、総額約8億円の資金調達を実施したことを発表しました。

Helical Fusionは、ヘリカル方式にさらなる独自の最先端技術を取り入れた、世界初の定常核融合炉の開発を目指しています。

今回の資金は、核融合炉、関連技術の開発に充当します。


原子力発電は莫大なエネルギーを生み出すことができ、さらにCO2を排出しないクリーンな発電なのですが、メルトダウンの危険性があることから、細心の注意を払って運用する必要があります。

また、原子力発電は核分裂によって高レベルの放射性廃棄物を排出します。現状の技術では物質の放射能をなくすことはできないため、人間が近づかない場所に保管するしかありません。国際的には地下深くの安定した岩盤に閉じ込める地層処分が安全であるという考え方が主流になっています。

このように原子力発電はメルトダウンの危険性と放射性廃棄物の処分・管理の課題を抱えています。

そこで、メルトダウンの危険性がなく、高レベル放射性廃棄物を出さない発電方法である核融合炉の研究開発が進められています。

核融合炉は、核融合反応という太陽で起こっている反応を利用した発電システムです。しかし核融合炉内で摂氏1億度以上という高温と、非常に高い密度を必要とすることから、非常に技術的難度が高く、実現には時間がかかるとみられていました。

しかし国際プロジェクトであるITER計画は、2035年には実際の核融合発電と同様の運転の実験を行い、2050年頃には発電実証を行うことを想定してます。

さらに近年は、大学や研究機関が培った最新技術をもとに核融合炉開発を手がけるスタートアップが登場しており、早期実用化が期待されています。

Helical Fusionが開発を目指しているヘリカル型核融合炉は、ITER計画で採用されているトカマク型よりもプラズマの安定性に優れていることや、プラズマに電流を流す必要がないというメリットがあります。

革新的な技術を実現するには資金調達を成功させることが重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を提供しています。

カテゴリ 有望企業
関連タグ エネルギー 株式会社 核融合 核融合炉 発電 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
企業組合とは?設立方法とメリット・デメリットを紹介
法人の印鑑証明書の取り方 | 手数料は?どこで?郵送は可能?
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた
あなたの会社に合った補助金・助成金がすぐわかる!自動マッチングツールを導入しよう
合同会社の設立方法を徹底解説|費用・手続き・必要書類まで分かりやすく解説!
有限会社とは?なぜもう設立できないのか?

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

人的資本/ウェルビーイング経営支援の「ラフール」が資金調達
2024年5月20日、株式会社ラフールは、資金調達を実施したことを発表しました。 今回の資金調達により、累計調達額は30億円となりました。 ラフールは、適性検査ツール「テキカク」や、組織改善サーベイ「…
ホルモンバランスが原因で生じる女性の悩みをサポートするスイーツブランド「MOON TREATS」運営の「eminess」が資金調達
2021年12月1日、株式会社eminessは、資金調達を実施したことを発表しました。 ホルモンバランスが原因で生じる女性の悩みに「食」で寄り添うスイーツブランド「MOON TREATS」を展開してい…
AI店舗支援SaaS「口コミコム」運営の「mov」が7億円調達
2022年5月25日、株式会社movは、総額約7億円の資金調達を実施したことを発表しました。 movは、AI店舗支援SaaS「口コミコム」、店舗のマーケティングノウハウを提供するデータ・ニュースサイト…
「スマート家族信託」などを提供する「トリニティ・テクノロジー」が「ブロードマインド」と業務提携
2023年6月1日、トリニティ・テクノロジー株式会社は、ブロードマインド株式会社と、業務提携を締結したことを発表しました。 トリニティ・テクノロジーは、家族信託サービス「スマート家族信託」、家族信託・…
クラウド決算開示管理サービスやバックオフィスのコンサルティング事業を展開する「Uniforce」が2億円調達
2022年11月24日、Uniforce株式会社は、総額約2億円の資金調達を実施したことを発表しました。 Uniforceは、クラウド決算開示管理サービス「Uniforce 決算開示管理サービス」、I…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集