注目のスタートアップ

スマート水産養殖の「ウミトロン」が12.2億円調達

company

2022年6月7日、UMITRON PTE. LTD. (所在地: シンガポール)とウミトロン株式会社は、総額12億2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

ウミトロンは、水産養殖にAI・IoT・衛星リモートセンシングなどを活用した持続可能な水産養殖の実現に取り組んでいます。

以下のサービス・プロダクトを展開しています。
・大規模養殖事業者向け給餌最適化・死魚数推定サービス「UMITRON REMORA」
・エビ養殖向けリアルタイムAI分析ソリューション「UMITRON EAGLE」
・衛星リモートセンシングによる世界中の海洋データを取得できるプラットフォーム「UMITRON PULSE」
・遠隔給餌サービス「UMITRON CELL」
・スマートカメラによる水産養殖保険向けデータサービス「UMITRON EYE」
・リアルタイム魚群食欲判定「UMITRON FAI」
・AIによる自動魚体測定サービス「UMITRON LENS」

今回の資金は、国内の既存事業基盤の強化、「UMITRON REMORA」「UMITRON EAGLE」「UMITRON PULSE」のグローバル展開の強化に充当します。

今後、サーモン養殖の主要市場である北欧や、チリやエビ養殖の主要市場である東南アジアなどに現地法人を設立し、事業展開を加速させていきます。

日本では古くから水産資源は重要な存在でした。しかし近年の海洋環境の変化や外国漁船による漁獲など、さまざまな理由により漁獲量が大幅に減少した水産資源が出てきています。

また、漁業だけでなく水産養殖の生産量についても1988年をピークに減少傾向にあります。一方で近年は水産養殖の高付加価値化と大規模養殖による効率化が進み、徐々にではあるものの産出額が増加してきています。

水産養殖は世界的なトレンドで、1995年から2011年の間に世界の養殖生産金額は3倍以上になりました。

水産養殖がここまで注目されている理由としては、世界的な人口の増加による食料需要の増加と、健康志向による魚食の増加が挙げられます。

また、畜産は環境負荷が高く持続的な畜産が難しいということがわかっていますが、水産養殖は環境負荷が圧倒的に低く、水産物は畜産物に代わるタンパク源としても大きく注目されています。

このことから、水産養殖の生産性を向上させたり、海洋汚染を防ぐためにテクノロジーの活用が強く求められており、水産養殖領域のスタートアップも増えてきているのです。

ウミトロン株式会社のコメント

このニュースを受けまして、ウミトロン株式会社よりコメントが届きました。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

AI搭載スマート給餌機「UMITRON CELL」スマート魚体体測システム「UMITRON LENS」など既存サービス・新規サービスの事業基盤強化に加え、海外で生産量が大きくかつ成長している魚種であるサーモン及びエビ養殖向けに提供しているサービスの開発・事業展開を加速させることが大きな目的の一つです。

・今後の展望を教えてください。

AI、IoT技術を活用したプロダクトの開発だけでなく、ウミトロンの技術を活用した養殖魚を「うみとさち」というサステナブルシーフードブランドで販売を開始しており、イオン様など大手量販店でも期間限定販売をされています。

今後、生産現場の課題解決だけでなく、消費者に対して海の資源の問題や養殖魚の魅力、サステナブルシーフードの認知向上や販路多様化にも力を入れていきます。

また、ウミトロンのミッションは「水産養殖を地球に実装する」ことであり、シンガポールに本社を置いています。

今後もサーモン・エビ養殖を皮切りにグローバルに水産養殖の課題解決をリードしたいと思います。

デジタル時代において利益を最大化させるためには、IoTなどのテクノロジーを活用することが重要です。「冊子版創業手帳」では、創業期の社内システムの整備ノウハウを詳しく解説しています。また、ICTの専門家にインタビューを行い、創業期のシステム整備のメリットや注意点なども伺っていますので、こちらもご参考ください。

カテゴリ 有望企業
関連タグ AI IoT グローバル テクノロジー 効率化 東南アジア 株式会社 水産 水産養殖 資金調達 養殖
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
【2025年最新版】合同会社と株式会社の違いを徹底比較!メリット・デメリットや選び方をわかりやすく解説
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?
法人の印鑑証明書の取り方 | 手数料は?どこで?郵送は可能?
【記入例つき】事業計画書の書き方を初心者向けに解説|起業・融資対応テンプレートあり
一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット
あなたの会社に合った補助金・助成金がすぐわかる!自動マッチングツールを導入しよう

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

AIとロボットで有機農業を推進する「トクイテン」が3.7億円調達
2023年10月26日、株式会社トクイテンは、資金調達を実施したことを発表しました。 トクイテンは、AIやロボット技術を活用した有機農業の栽培全体の自動化を進めています。 収穫・液体噴霧・防虫など、ロ…
保育施設向けICT・IoTサービス「ルクミー」展開の「ユニファ」が40億円調達
2021年6月2日、ユニファ株式会社は、総額40億円の資金調達を実施したことを発表しました。 保育施設向けICT・IoTサービス「ルクミー」シリーズを展開しています。 「ルクミー」シリーズは、ICT・…
「INDIGITAL」がインドIT人材を派遣・出向するスキーム構築を支援するサービスを4月からスタート
2022年3月14日、株式会社INDIGITALは、インドIT人材を派遣・出向するスキーム構築を支援するサービス「インド人材派遣・出向支援サービス」を2022年4月から提供開始することを発表しました。…
デジタル・クリエイティブ・スタジオ「Sun Asterisk」が10億円調達
2019年12月4日、株式会社Sun Asteriskは、約10億円の資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、農林中央金庫です。 Sun Asteriskは、国内外に総勢1,500名のエンジ…
屋内空間専用の産業用小型ドローン「IBIS」を開発・提供する「Liberaware」が資金調達
2023年6月5日、株式会社Liberawareは、資金調達を実施したことを発表しました。 Liberawareは、屋内空間専用の産業用小型ドローン「IBIS(アイビス)」を開発・提供しています。 直…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集